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2018.12.04

楽しい家であること

住まいは生活の容器(うつわ)といわれます。

 

「いってらっしゃい」  「おかえりなさい」

 

心のこもった家族の声が自然に発せられる普段着の家がいいと思うのです。

 

お父さんが仕事から夜遅くに帰ってくるとき、寝室からもれるやわらかな光で迎えられるのはなんとなくホッとします。また、思いがけず早く帰宅できた父に子供たちが「お帰りなさい」とリビングの窓から声をかける情景は、この家がこの上なく家庭的であることを感じさせます。

 

家はそんな情景を演出する舞台です。

 

家のしつらえを考える時、そこに住む人が朝起きて寝るまでの色々な情景を思い浮かべます。お母さんが子供たちを朝おこすのにどんな方法でするのか、朝日を浴びながら食べる朝食はいいなぁとか。

 

母親が食事の支度をしている音や、子供たちが何かごそごそしている音が、かすかに聞こえる、家族中の気配がなんとなく感じられる家が望ましいのではないかと思います。私たちが設計する家は、できるだけオープンにしたいと考えている一つの理由はこんな事からです。

 

 

他にも開放的にすることによって色んなメリットがあります。家中の空気の循環を促し、温熱環境を整えるのに有効な手段です。吹き抜けを設けるのもこんな理由からです。また開放的にするのとその空間を大きく見せてもくれます。

 

楽しい家を演出するには、ドラマチックなものも有効です。

 

その一つが階段の設えです。

 

階段はある意味で非日常的といえます。人は平面的に動くことは日常ですが、「上がる」「下がる」時には何らかの感情が動くものです。昇ときには高揚感。降りるときには落ち着いた気分などを感じます。また吹き抜けに掛けられた階段が美しくてドラマチックなものであれば、そこを上がり下がりするのは楽しくなるのではないかと思います。

 

住まいは家族団欒の場であり、癒しの空間であるべきです。

家を建てる時、そこに住まうことに喜びを感じられる家にしたいと誰もが思うはずです。

 

 

住めば住むほど愛着の湧いてくる家。

そんな楽しい家が、理想の住まいです。